店舗の開業費用を抑えたい方にとって、「居抜き物件」は非常に魅力的な選択肢です。
前テナントの内装や設備が残っているため、初期投資を抑えてスピーディーに開業できる可能性があります。
しかし、すべての居抜き物件が「お得」とは限りません。
設備の状態や法令適合、将来的な使いやすさなど、見極めが必要です。
今回は、居抜き物件のメリットと確認すべきポイントについて、店舗のデザインから設計・施工までを手がけるN.S.Dが解説します。

1. 居抜き物件の3つのメリット
まず、居抜き物件での開業メリットを考えてみましょう。
以下の3つが挙げられます。
- 初期費用の削減
- 例えば、既存間取り(壁)や水栓等、設備で再利用できるものがあれば数十万円~数百万円の削減につながり大幅なコストダウンができます。
- 工期の短縮
- もし、配管や電気設備などのインフラが整っていれば、工事は必要最小限で済みます。
着工からオープンまでの期間が短くなる点も魅力です。
- もし、配管や電気設備などのインフラが整っていれば、工事は必要最小限で済みます。
- 同業種であれば設備がそのまま使えることも
- 前テナントと同業種であれば既存設備(飲食店であれば厨房設備、美容室であればシャンプー台)を使用できる可能性も。

2. 設備を再利用する前に!確認すべき5つのポイント
それでは次に、物件を契約する前に確認すべきポイントについて解説します。
「コスト削減のはずが、結果的に高くついた…」
そんな失敗を防ぐために、以下の点は事前に必ずチェックしましょう。
①設備の老朽化と故障リスク
どんなにきれいに見えても、使用年数やメンテナンス履歴が分からない設備は要注意です。
開業後すぐに壊れてしまい、結局新品を購入し直すケースもあります。
給湯器やエアコン、シャンプー台などは専門業者による動作確認を推奨します。
美容サロンの場合
設備・箇所 | チェックポイント |
---|---|
シャンプー台 | 水漏れ、排水の詰まり、ホースや蛇口の劣化、可動部分の不具合 |
給湯器 | 起動の安定性、湯量・温度の安定性、異音・異臭の有無 |
配管・排水 | 錆び、詰まり、水圧、臭いの逆流 |
照明(特に鏡前) | 明るさのバラつき、電球の劣化・交換しにくさ |
エアコン・換気設備 | 冷暖房の効き、異音・異臭、フィルターの汚れ |
床・椅子・鏡 | 傷み、ぐらつき、破損やヒビ |
電気容量 | ドライヤーやカラー機器が同時使用可能な電気容量があるか |
飲食店の場合
設備・箇所 | チェックポイント |
---|---|
厨房機器(コンロ・冷蔵庫等) | 動作確認、温度設定の安定性、異音・異臭、サビ・焦げ付き |
排気・ダクト・フード | 油汚れ、吸い込みの強さ、メンテナンスのしやすさ |
給排水設備 | 錆び、詰まり、水圧、臭いの逆流 |
給湯器 | 給湯の安定性、湯量・湯温のばらつき、点火不良 |
電気容量 | 厨房機器を同時使用してもブレーカーが落ちないか |
換気扇・エアコン | 店内の換気性能、臭い残り、フィルターの清掃状態 |
床材・壁材 | 油の染み込み、耐水・耐油性、滑りやすさ |
コストを抑えた代替案をご提案させていただきます。
もし古くて入れ替えが必要となった場合でも、N.S.Dではなるべく
②消防法・建築基準法の適合性
前テナントではOKでも、用途変更や法改正により現在の法令に適合していないケースもあります。
例えば
- 店舗面積が増えて避難経路の確保が必要になった
- 美容室では防火仕様の壁材が求められる
- 換気扇や排気ダクトが飲食店基準を満たしていない など
物件探しが振り出しに戻ることがないように進めてまいります。
N.S.Dでは、現地確認の段階で法令チェックを行っています。
③レイアウトの制約
「あるものを活かす」と言えば聞こえはいいですが、既存の設備配置に引っ張られることで、思い描く空間が作れないこともあります。
シャンプー台の配管や厨房の位置などは動かすだけで大きな費用が発生するため、計画段階から動線や使い勝手を慎重に検討しましょう。
例えば
- 美容室での例
シャンプー台の配管が壁側に固定されていて、新しい動線に合わない。希望のスタイリングブース配置ができず、作業効率が落ちる。 - 飲食店での例
厨房の位置がホールと遠く、オペレーションに無駄が出る。座席レイアウトが決めにくく、収益性に影響。

④不要設備の撤去費用
逆に、「この設備いらないな…」となった場合の撤去・処分費用も忘れてはいけません。
厨房機器やエアコン、内装材など、大型のものは産業廃棄物扱いで追加コストが発生することがあります。
注意点
- 撤去費用は物件オーナーの負担ではなく、借主負担が原則のことが多い。
- 解体費用を見込んで予算計画を立てることが重要です。

⑤オーナーや不動産会社の許可が必要なことも
意外と見落としがちなのが、設備再利用や改修にあたって物件オーナーの同意が必要なケース。
工事に入る前の契約確認や、退去時の原状回復範囲など、事前の取り決めをしっかりしておくことが大切です。
注意点
- 原状回復義務:改装内容によっては、退去時に原状回復を求められ、高額な費用負担になることも。
- 構造体に関わる工事(床を抜く、壁を壊す等)はオーナーの許可なしに行えない。
- 残置物扱いの設備は、実はオーナーの所有であり、「自由に撤去・改造できない」場合がある。
スムーズな連携を取ることで、借主側の知らなかった!を無くし、安心して物件を決めることができます。
当社が間に入り不動産会社様と
3. まとめ:コストダウンと使い勝手、両立のために「プロの視点」を
居抜き物件は「使えそう」「お得そう」という直感だけで選ぶと、後からトラブルになることがあります。
重要なのは、「何が使えるか」「何が使えないか」を見極める力。
失敗しない店舗づくりのために、設計・施工の専門家とともに慎重に進めていきましょう。
飲食店や美容サロンの実績が豊富なN.S.Dによるサポートで、新規出店と開業を考えているオーナー様を応援します!

4. 株式会社N.S.Dでは開業支援もサポート!
私たちN.S.Dは、四日市を中心に、美容サロンや飲食店、クリニックの設計・施工を数多く手がけてきたプロフェッショナルチームです。
サロンの開業に必要な資金計画やスケジュール管理、物件選定からアドバイスも可能です。
店舗運営未経験のオーナー様にも寄り添った丁寧なサポートを心がけています。

コストを抑えて賢くお店の運営を!N.S.Dでは、物件選定から設計・施工までワンストップで対応可能です。
ご相談からご提案までは無料で行っておりますので、理想の店舗づくりに向けて、まずはお気軽にご相談ください。
無料相談開催中!お気軽にお問い合わせください。